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彼はデスクに置いてある指示書にざっと目を通すと、一気にキャドを動かした。見る間に図面が描き上げられていく。的確に素材や構造を選び、必要とされる強度や耐久性を満たした図面を仕上げていく
「ほーい。一丁あがり。これで三十分は楽できるだろ」
いつの間にかデスクに人集りができていて……
「へえ。こんな風にするんですね。流石ですねえ」
係長の口から感嘆の声がもれた。確かに抜群の仕上がり。しかも、たったの３分
「みなさん、仕事に戻って」
課長はそう言うと、フロアーの奥にある自分のデスクユニットへと戻っていった
「かっこいいね」
実里の声も上ずっていた
「ま、紺野の仕事ぶりを見かねたんだろうな。課長直々に指導なんて、めったにあるもんじゃない。感謝しろよ、紺野」
係長が、いやみたっぷりに言った
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