第1話

2/2
前へ
/7ページ
次へ
『グッドモーニング!! みんな今日も一日が始まるよー!! 今日の天候は晴れ! 気温は――』  とても陽気なラジオのDJの声が車のスピーカーから聞こえる。いつもの駐車場に車を停め車から降りていつの仕事場へと向かう。 「やぁ、おはようマイク」 「やぁ、おはようジャック」  ジャックと呼ばれた男はNASA施設の職員である。経歴としてはまだまだ日が浅い凡そ3年目である。担当部署はレーダー観測施設。主に宇宙から接近するであろう隕石やデブリの観測・発見を行う仕事をしている。 「やぁおはよう」  ドアを開けて施設内に入るといつもの自分の席へと座る。朝来るとまず計器類の確認をし、それから作業へと入る。 「おいジャック昨日のアメフトの試合見たか? カウボーイズの圧勝! テキサス出身の俺の愛するチームの大勝利だぜ!」  少しガタイのいい髭面の男がジャックに話しかけてくる。 「うん見たよ。凄かったよね」 ジャックが少し雑談をしていると、パソコンの画面から警報音が鳴り響く。 「ん? なんだ?」  ジャックはそのパソコンの画面を確認する。 「あ、何だこれ? レーダーに何か巨大なものが……」  その言葉を聞いて髭面の男もその画面を見る。 「ん? お、おい。それって隕石じゃねぇのか? おい、すぐに軌道計算と大きさを」  そう言いながら大慌てでパソコンの画面に文字を打ち込んでいく。そして導き出した答えを見て2人は驚愕する。 「直径55キロ、軌道は地球への直撃コースじゃねぇか!?」    場面は変わりここはホワイトハウス。 「大統領こちらへ」  黒ずくめの男が大統領と呼ばれた男を誘導する。 「状況を説明してくれ」  その場所は部屋の一部が大画面となっている場所であり、画面は世界地図とその横には様々な情報が確認出来るようにディスプレイされていた。 「大統領閣下。今朝NASAに務めるジャック・ニコルソン及びリーズ・ブライアンの2名がレーダー観測により巨大な隕石を発見しました。計算によると隕石の直径は約55キロ。軌道は地球へと向かっています」 「何? 地球へ直撃するということか?」 「はい。現在のスピードから計算して3日後には地球へと衝突することになるでしょう。我々は人類存亡を賭けて早急に対策を打つ必要があります」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加