第一章

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男は悲鳴の聞こえた方へと急いだ。 ただ、駆け付けた時にはもう事は終えていた。 ただ、そこに残っていたのは男の無惨な死体と、血溜まりに小さく座り込んでいる小さな女の子だった。 その女の子が抱えているものは刀だった。 真っ白な鞘に不思議な下げ緒の刀だった。 男は疑問に思った。 何故、こんなところに女の子がしかも刀を抱えているのかと。 「………誰?」 女の子は顔を上げた。 その顔には男の返り血が点々とついていた。 男は女の子と目が合った瞬間背筋がゾッとした。 何故だと言われたら分からないと答えるだろう。 直感的に思ってしまったのだ。 「君は…此処で何をしているの?」 男は女の子に尋ねた。
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