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◇◇◇
「副長!!薩長軍が撤退しています!」
「なに!?どういうことだ…!」
土方たちが向かう先から逃げてくる薩長軍。
その兵たちは誰もが怯えた表情をしていた。
「お、お前ら……!この先は…鬼がいる…!」
しかも、忠告までしていった。
土方は妙な胸騒ぎがした。
「どうするんだ?土方さん。」
原田が尋ねる。
隊士たちはみな不安そうな表情を浮かべている。
「薩長軍が逃げたんだ。俺たちにとっては嬉しいことじゃねぇか…。先に進むぞ!」
土方が先頭をきって歩いていく。
険しい山道を歩く。
そして、鼻につく火薬の臭いと血の臭い。
近付けば近付くほど、その臭いは濃くきついものになった。
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