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「凛……何処だ!」
その緋い一本道はずっと続いていた。
そこを通る全員の足を赤く染めた。
チリン___
山崎の足元に現れた一匹の白い猫。
首には鈴をぶら下げていた。
その猫は赤くなかった。
「あ、待て…!」
猫は死体を飛び越え、走った。
まるで何処かに案内しているかのようだった。
一体何処に連れていく気だ…
そして、猫がその一本道から少し外れた林で止まった。
「り…ん……」
木にもたれかかって座っているのは凛だった。
目は閉じられ、全身真っ赤だった。
その表情はとても穏やかで、もう動かなかった。
山崎が揺さぶっても凛は何も反応を示さなかった。
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