最終章

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◇◇◇ チリン___ チリン___ 黒猫は沖田のもとへと現れた。 「黒猫……。斬れば…労咳が治るって言われてますよね…」 黒猫はそんな言葉とは関係なく沖田に近付き、頬擦りをした。 「え……?これは……」 その猫の口の中には青い色の蜻蛉玉が入っていた。 猫は沖田の手にその蜻蛉玉を置くと姿を消した。 まるで、願いを叶える為に来たようだった。 「凛………。貴女は………」 沖田は夜空に浮かぶ月を見上げて呟いた。 そして、沖田は何かを悟ったのか涙を流した。 「凛……凛……。貴女は…やっぱり、私が…っ…いくら手を伸ばしても…届かない…」 沖田は布団にくるまった。
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