最終章

18/19
526人が本棚に入れています
本棚に追加
/444ページ
◇◇◇ また時は流れ、現代。 ある図書館。 「ねぇ、この人知ってる?」 「あー!知ってる!激動の時代を生きた人でしょ?」 小声ながらもその本のページを指差している。 そこに書いてあるのは"緋色の狐"。 「沖田さんや土方さんを守った人でしょ?私、この人好きだよー。」 「しかも、この人ってさ女の人だったって話があるんだよ。うちらと同じ歳だとかって…」 「そうなの?……凄いね。」 二人はその本をまじまじと見た。 ずっと、語り継がれた。 何百年も。 長州側でも幕府側でもない"緋色の狐"。 時には残虐に、そして、何人もの大切な人を失った。 失ったからこそ得るものもあった。
/444ページ

最初のコメントを投稿しよう!