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◇◇◇
また時は流れ、現代。
ある図書館。
「ねぇ、この人知ってる?」
「あー!知ってる!激動の時代を生きた人でしょ?」
小声ながらもその本のページを指差している。
そこに書いてあるのは"緋色の狐"。
「沖田さんや土方さんを守った人でしょ?私、この人好きだよー。」
「しかも、この人ってさ女の人だったって話があるんだよ。うちらと同じ歳だとかって…」
「そうなの?……凄いね。」
二人はその本をまじまじと見た。
ずっと、語り継がれた。
何百年も。
長州側でも幕府側でもない"緋色の狐"。
時には残虐に、そして、何人もの大切な人を失った。
失ったからこそ得るものもあった。
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