第1章

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見開く瞳孔が、不規則に揺れる。 「サイコーに刺激的で、サイコーにゾクソクする、とんでもなく上等な女だ。 アンタの言う幸せなんて、目じゃないね」 その瞳を捕らえながら。 自分でも制御しようのない、この溺れた感情を水野に伝える。 「…………そんなの、冴島君のエゴだわ」 声は弱々しく震えているのに、合わせた視線は、どこまでも強気で。 俺を許さない。 「彼女の未来、縛り付けてることには変わりないじゃない!! 可能性、全部奪うんだよ?そんな権利、冴島君にあるの?」 「ナイよ」 「彼女は、その年代で経験しておいた方がいい恋愛、冴島君のせいでできないんだよ? 他の人、誰も知らないまま冴島君がすべてのまま大人になるなんて、そんなの彼女が可哀想!」 感情的になったせいで、充血し、潤む瞳。 「それも、分かってる」 「分かってない!!」 水野のよく通る声が一段と大きく、闇夜に響く。 「何も分かってない!! 本当に分かってるなら、手放すべきよ! それが大人の配慮でしょ!?優しさでしょ!?」
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