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「センパーイ♪」
あぁ、また来た
あの子だ。
フワフワのパーマ
小柄な体
バッチリのメイク
制服のスカートは短くて、リボンも規定のものから違うものに交換されている。
汗だくで、ジャージ姿の私とは大違い
「また来たのか」
慶太が答えれば、わらわらと他の部員も集まっていく。
「はい!また差し入れ持ってきちゃいました」
「え!マジで?!
由実ちゃんさっすが!!夏帆マネも見習えよな」
チクリ
チクリ
言葉の小さな刺がツキツキと刺さる
その言葉に気がつかない振りをして、部室に戻る
「夏帆、手伝う」
「あ、ありがとう」
夏帆って呼んでるけど、手伝ってくれてるのは弟の冬樹
同じ高校の同じバスケ部だから、お姉ちゃんって呼ぶのは嫌なんだって。
「慶太先輩どうですか?」
「んまい」
「本当に?!嬉しい」
「うわーこのクッキーめちゃうま
由実ちゃん料理うまいね!!」
部室にいても聞こえてくる皆の声
「わ、由実ちゃん手やらかっ
夏帆マネとは違うなやっぱり」
「そうだな」
「やだっ慶太先輩ってば」
「ーー・・・気にすんな」
「べつに。気にしてないし
大丈夫
マネージャーの仕事、好きだから」
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