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ーー・・・
キュ キュ
皆が部活を終える前に先に着替えておいて
そして皆が着替え終えるまで、制服姿で体育館にモップをかける
いつもならここで慶太が来てくれるのに
いつまで経っても来ない
他の部員が帰っていく声が聞こえる
来ないな
まだかな
「お、北見まだ残ってたのか」
「あ、先生」
「体育館閉めるぞ」
「ーー・・・はい」
少しの間なら
そう思い、体育館の外にある階段に座って慶太を待つ
夏になりつつあるとはいえ、まだまだ夜は冷える
ブルリと身震いして半袖から覗く腕をさする
遅いなぁ。
プルルルル
「はい、冬樹?」
『夏帆?お前どこにいんだよ』
「......体育館で、慶太待ってる」
『マジかよ、連絡いってないわけ?』
「え?」
『先輩なら由実って女送って帰るって』
「ーー・・・そっか、分かった。今から帰るね」
あぁ、辛いなぁ
私って、ちゃんと、慶太と付き合ってるのかな
もう分かんなくなっちゃった。
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