先生と僕

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午後の授業が終わって、僕は部室にいた。いろいろな作品を作る美術部に僕は所属していた。 先月から取り掛かっている、信州のワサビ園の大きな油彩の風景画。時間いっぱい描き足した。5時30分にはチャイムが鳴ってしまう、それまでの短い時間で、今日は水車やその付近の作業をした。 作業服を脱いでブレザーを着ると、僕は誰もいない部室の鍵を閉めてすぐに出て行った。 外は少し雨が降っていて、念のために持っていた折り畳みの傘をさして歩いた。駅までは15分くらいかかる。 すぐ前に、逞しい背中が見えた。
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