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「俺も呼びたい。舞....って」
「...小栗」
「違うだろ?さあ、もう一回」
小さな子供を叱咤するように、優しく囁く彼を見つめ、
再度、唇を開いた。
「...ゆ、、、、、、、優斗」
「よく出来ました」
そういって、嬉しそうに、満面の笑みを浮かべる彼。
優斗....彼の名前が、
耳の奥で甘く切なくリフレインする。
「俺も、いい?呼んでも」
「....いい...けど」
彼はふっと微笑み、「舞」と、私の名を呼んだ。
その声が、先ほど、
阿部さんから受けた衝撃と重なる。
同じなんかじゃないのに、
全然違うはずなのに、
――――― 感じたのは、背筋が凍るほどの恐怖。
甘い恋人から受け取る、
愛の台詞とは異なる感情に、指先がかじかみ始めた。
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