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「オラ金出せよおじょーぅちゃん?」
「だから持ってないってばぁぁ!!」
梅がなぜこの状態になっているかは2時間前に遡る。
*
「当面の問題は」
「何でしょう御主人様!」
倉竹は眉間にしわを寄せまくった。
「ここ江戸では犬を連れて歩くのは変だということだ!」
「なんだってェェ!!?」
「……派手なリアクション有難う。客観的にその派手さが分からないのが残念だね」
棒読み。
しかし問題は問題として依然そこにあった。
犬の姿で街を歩くのが変なら人の姿になれば良いのだが、彼女には耳と尻尾が生えている。耳は布か何かで押さえれば良いとしても、
「耳としっぽー?これですか?」
どろんっ!!
「実践せんでよろしいー!!!あ、てかやめて下さいホントお願いします」
これである。
犬の姿では布を纏っているのはおかしい。が、そのまま人の姿になると全裸になってしまう。よって常に人の姿でいなければならない。
幸い、人の姿でいるのに特別にパワーが要るわけではないのでやってやれないことは全く無い。全く無い、が、しかし。
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