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「着物を買いに行かなきゃーならん。…俺が。……女物の」
だばはーと溜め息。
ま、仕方なかった。
「一言で済ませたこの作者!!」
「さくしゃ?」
「軽く気にしないで。……とりあえず応急処置なー。ちょい待ち」
えーと、と周囲を見渡し何かを発見して駆けていく倉竹。
「御主人様ー?」
ちょい待ちと言われたので梅はその場に待機。
数分で倉竹は帰還した。
「お帰りなさいませ御主人さもぎゅっ!?」
「言うな…言ってはならない言葉だソレは…!断じて違う」
「―――っ!―――っ!」
殺気すら含んだ倉竹の言葉に梅は涙目に必死でうなずく。
満足げに梅を解放する倉竹。
「とりあえず、なんだけどこれ着て」
「……着物?ですよね。一体何処から…」
「俺の悪友にして心の友、道路暮らしのエキスパート、冷酷であり親切、ホームレスの田中林くんの御厚意だよ」
「格好良い!!」
「こないだ飯おごったからね。give and takeだ」
「そっちも格好良い!!」
「では装着」
俺は逃げる。
倉竹が土手の向こう側に逃げるのを待たずに梅はモード人型、ダンダリズム田中林から譲り受けた着物…着流しだが、を装着した。
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