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田中林が標準身長より高めなのか梅がちっさいのかは不明だが、それはやや大きめで、腰帯がなければ即座にゴーイングマイウェイな感じである。当然袖も長いので腕まくりをした。
「できましたー!」
「………おー。…うん。似合う似合う」
素直に喜ぶ梅を尻目に倉竹は決心した。なるべく早めに丁度なサイズの着物を買おうと。
こんなのと一緒に街歩いてたらただの変態に見えるからと。
「じゃあここでおとなしく待ってて。さすがに男物の着物着た女の子が店入ったら怪しまれるからな」
「りょーかいですっ!!」
ビシ、と完璧な敬礼をして梅は倉竹を戦場(着物屋さん)へ見送った。
「おとなしく待ってる。おとなしく待ってる。おとなく待ってる。おとなくまている。…?大人熊テイル?……子供のと変わんないと思うけどな」
などと平和な悩みを抱えつつおとなしく待っていた梅だが、そこは犬耳が隠れていても人目をひくほどの華のある顔立ち。しかもちょっときわどい格好をしているとあっては平和なまま過ごせる訳が無かった。
「お嬢ちゃん」
「いや待てっよく考えるんだ、御主人様テイル……!…駄目かもっ!萌えかもっ!」
「……ちょ、お嬢ちゃん?」
「はぁん御主人様ぁーーーうさぎのしっぽとかどうですか!」
「オイ聞ーてんのかコラァ!!」
「きゃみっ!?」
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