11人が本棚に入れています
本棚に追加
「まあそうだな。その通りだ、おじょーちゃん。じゃあ、嫌な目に遭いたくなかったら金出しな」
「あ、…あの。持ってな」
「口ごたえすんなよ?痛くすんぜ?」
「だから持ってないで」
「おじょーちゃんなら高く売れっだろ」
「持ってないって言ってるじゃないですかー!」
そして冒頭へ戻る。
どうしよう。おとなしく待っててって言われたのに。
梅はかなり悩んでいた。梅は戦闘に長ける民族の生き残り。こんなやんきーなにーちゃんの1号や2号や3号や4号くらいのしてしまうのはわけない。が、そうするとどうしても騒ぐことになる。
『おとなしく待つ』という言い付けを破ることになる。
『御主人様の為だけに力を使う』という約束を破ることになる。
「ううう世の中ってうまくいかないぃぃぃぃぅぅぅぅぅ」
「何わけわかんねぇ事言ってんだ」
「うぜっ…オイもう連れてこーぜ」
「ふぁうふ……!?離して下さい!」
むき出しの腕をつかまれ手加減無しに引っ張られ、梅は抗議の声を上げる。
っていうかそっちがその気なら、と全力で抵抗した。
「……ぐァ…っ!!…何だこの女…あ痛だだだだだ!?」
「プロレスでわたしに勝とうなんざ宇宙の年齢くらい早いんだよっ!!」
おののくやんきーなにーちゃん達。そしてキャラが違う梅。
するとほぼ無口だったにーちゃん3号が静かに移動、
「捕獲」
「!――――く…」
最初のコメントを投稿しよう!