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「んぅーーー……ん、ふっ…」
あと幸せそうな寝顔を邪魔することのできない心優しい奴じゃあなかった。
「朝メシ抜き」
「起きてます御主人様御免なさい」
*
ててててて、という効果音がつきそうな小走りで梅は倉竹のあとをついていく。
「御主人様、御主人様」
「んー?」
「今からどこへ行くんですか?」
「んー。強いて言えばバイト先かな?」
「疑問形!?」
気が付くと建物の間の裏道へ入り奥の奥へと進んでいた。
さすがに不安になってきた梅。
「……ご、…御主人様、どこ行くんですか?」
「んー。強いて言えば秘密基地かな?」
「さっきと違うし!?」
「…敵の」
「しかも敵!!」
しかし梅の心配をよそに倉竹の足取りはしっかりしている。
あやしげな店の中を素通りし、壁のブロックを数箇所叩いて扉をつくり、右も左も判らなくなってきた頃それは現れた。
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