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倉竹は梅に向き直った。店長は視線だけを向ける。
「…わたし、……わたし、あの、御主人様、」
「店長ー、次の仕事は?」
「あァー、次の雑用は…」
「言い直すな言い直すな。てか雑用だったんですか。どんだけ危険な雑用?」
梅は何事か言いかけた口のまま停止していた。視線は宙を彷徨い、最終的にやはり、倉竹にたどり着く。
倉竹は目を合わせた。
「何、辛気臭いよ梅。キャラじゃないから。むしろこの物語のキャラじゃないから」
「お前ェそこは言っちゃー何か色々と駄目だろォよ」
「……………」
「捕まんなきゃいーだけの話じゃん、ね」
適当だった。
思わず吹き出す梅。
意味も無くおかしくて涙が出てくる。
けらけらと笑うこと数分、店長が何か得体の知れないものでも見るように梅を見た。
「どっかおかしィんじゃねェのコイツ」
「いやそれあんたに言われちゃおしまいでしょ」
「何を、失礼な!」
頬をつねろうとする店長から逃げる倉竹。笑い続ける梅。
軽くパニックが起こった。
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