そのさん

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倉竹は梅に向き直った。店長は視線だけを向ける。 「…わたし、……わたし、あの、御主人様、」 「店長ー、次の仕事は?」 「あァー、次の雑用は…」 「言い直すな言い直すな。てか雑用だったんですか。どんだけ危険な雑用?」 梅は何事か言いかけた口のまま停止していた。視線は宙を彷徨い、最終的にやはり、倉竹にたどり着く。 倉竹は目を合わせた。 「何、辛気臭いよ梅。キャラじゃないから。むしろこの物語のキャラじゃないから」 「お前ェそこは言っちゃー何か色々と駄目だろォよ」 「……………」 「捕まんなきゃいーだけの話じゃん、ね」 適当だった。 思わず吹き出す梅。 意味も無くおかしくて涙が出てくる。 けらけらと笑うこと数分、店長が何か得体の知れないものでも見るように梅を見た。 「どっかおかしィんじゃねェのコイツ」 「いやそれあんたに言われちゃおしまいでしょ」 「何を、失礼な!」 頬をつねろうとする店長から逃げる倉竹。笑い続ける梅。 軽くパニックが起こった。
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