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「くそっ!」
「ご、御主人様……?」
「どうして現場に血が流れるんだ!!」
「血っ!?」
「………いや、ごめん某有名映画の2作目の見せ台詞なんだけど語呂が良いから使ってみただけ。ちなみに『くそっ!』は違うよ」
「よく分かりません!!」
「だろうね。俺も分かんない、自分が。アヒャヒャッ」
ああ、御主人様が壊れてる…。と梅が思うのは当然だろう。
2人は出雲への旅路についていた。出雲というと江戸からはるか南に下った、陸を途切らせる海の手前である。出雲で仕事があるとはいうがその出雲へ行くのがまず大変なのである。
「あーーーーーっ、ゴロゴロしてぇー!」
寝転がったら気持ちよさそうな草むらを横目で恨めしそうに見ながら倉竹は足を速めた。さっさと仕事を終わらせてゴロゴロしたいが為に頑張ることにしたようだ。
そんな倉竹を観察して、梅は、何故か嬉しそうな笑顔だった。
ひとり ながれ ゆらり ふらり ひとり ゆらり ひとり ひとり
「歌?」
「はいっ!こーゆー天気の日に歌いたくなる歌ベスト3にランクインです!」
「なるほど」
ちなみに本日は快晴である。カンカン照りの太陽に、だから倉竹も壊れかけているわけだが。
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