そのよん

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子供はぎぎぎぎ、と倉竹を睨みつけている。 倉竹はその視線を受け止めた…というより『なんか見てるよこの子』的な、どうでもよさげな眼で見返していて、睨まれていることなど気付いてすらいないようだった。 子供は目を逸らした。 「………………別に」 「お、喋った」 「……。………別に、あんた達を狙った訳じゃない、誰でもよかった。あんた達、マヌケそうだったし」 「ナルホド。そのマヌケそーな奴らに捕まったわけだ」 「…………」 見るからに不機嫌になる子供。気にすることなく倉竹は続ける。 「俺達特定で狙ってないならいいんだよねー。お前……ええと、名前は?」 「……」 「ああ、秘密なのね…。ちなみに俺倉竹与一朗太。本名もうちっと長いけど」 「………――」 ぼそぼそと何事か喋る子供。 「何だって?」 倉竹は梅に訊いた。 「えーっとー、えーっと、多分、オユキ、かな?」 「お雪…?……ふうん」
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