そのよん

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なにやら意味あり気にうなずくと、倉竹はへにゃりとした笑顔を見せ、 「んじゃあ、お雪ちゃん。再び遭いまみえないことを願いつつ、なにか仕事の依頼があったらここに連絡してねって店長が言ってたよ」 と真黒い名刺サイズの紙をお雪の目の前の地面に置いた。 紙は黒地に白い字でただ単に『他言無用』と書いてある。連絡しろと言っておきながら連絡先が書かれていないのはどういうことなのか。そもそも名刺の役割を果たしていない。 「行こうか梅。………あの、多分その花は食べられないと思うぞ」 「はいっ!?なっ、何で分かるんですか!?スゴイ!」 「いやいやいや。それだって食虫植物じゃん!」 「ショック中職部Ⅱ!?」 「変換間違ってると思う!」 などとかけあいながら去ってゆく2人を、お雪は噛み付きそうな眼で見ていた。         * 先程と同じペースで歩きながら倉竹は溜息をひとつ。
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