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「すっごーい。元気ー。ん、でもそんなトゲトゲしてるとお嫁さん貰えないよー。せめてトゲピーくらい可愛く」
「御主人様、主旨変わってます!」
「しまった!!」
アホな会話にお雪は呆れたように溜息をついた。このコンビに真面目につっかかると馬鹿を見ることにようやく気付いたようだ。だが近寄る気配は無い。
「?…用、無いんでしょか」
「うーん。無かったらついてくるはずないのにな」
そう倉竹が言った瞬間だった。
「いたぞ!!あのガキだ!!」
「あのガキを捕らえろ!!」
怒鳴り声が響き、続いて何人もの足音が空気を震わせる。
「くるーえる=……じゃあ、ないな。ねこ耳ちゃうから(見たくないけど)」
え、でもこっち来るんですけど。
「…まさか…」
梅と倉竹が同時に振り返った先には恐怖の表情を浮かべ立ちすくむお雪。
視線を元に戻すと必死の形相でこちらに向かって走って来る男達。
「…………………」
いやー、何か厄介事に巻き込まれそうだなって思ってたんだよねー。大体店長の仕事とか不吉過ぎるし。
わたしも思ってました、御主人様。ていうかどーするんですかこれー!!
きゃーーーーーーーーーーーー。
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