そのよん

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「ど……」 したたり落ちてくる汗は目前の地面へと吸い込まれて消えた。 「…どうしよう。思わず逃げたけど」 「分かりません分かりません~!」 「どうなの?これどうするべき?お雪ちゃん」 「……………っ」 お雪は一瞬だけ盛り上がった涙を乱暴に擦ると倉竹の胸辺りを睨みつけながら叫ぶ。 「分かんない!分かんない、分かんないからこうやって……!!」 あまりにも逆上し過ぎて言葉に詰まるお雪。 倉竹はひとつ呼吸した。 「成程。依頼する気になったんだ」 「ッ――――」 「にゃう、御主人様、いつになくいじわるですー!」 「うーん…なんか、駄目。制御できないやコレ。めずらしく苛々してる、俺」 ひたすら眉をしかめて言った後、倉竹は途端にけろりとした表情をする。 「よし!この苛々をお雪ちゃんの敵にぶつけよう!!」 「なるほどっ!!」 「つーわけでお雪ちゃん!利害の一致ダヨ!!オウィェ!!」 「オウィェ!!」 「…ッ、な、んなんだ、あんたら……」 ものすごく楽しそうな笑顔で、梅は答えた。 「ただの犬と、御主人様です!!」 「…………」 「……………梅、それ、多大な誤解を与えるんじゃ…」 「……犬?」 「バラしてるしぃぃ!!」
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