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「凄い……!」
「いや、だってねこ耳」
「それです…"くるーえる=でぃれいんじ"はねこ耳が身体から離れると戦闘不能に陥るんです」
「うっそぉぉ!?」
「それを一瞬で見抜くなんて……御主人様は強いんですね…!尊敬します!わたし達の一族より強いのでは!?」
「無い無い無いナイ無い」
だってあのねこ耳が見るに堪えなかっただけだもん。
妙な誤解を生んでしまった男だった。
「本当に有難う御座しました!わたし、御主人様みたいな人がいたこと、一生忘れません」
少女はおぼつかない足で立ち上がり、にこりと(犬だから表情なんて以下略)笑う。
「さよなら」
「……………、」
男に背を向け、少女は進んでいった。
男は先程の5倍くらい苦い顔をして、
口を開く。
「待った」
「忘れ物ですか?」
「いや違うんだけど。……お前、俺と一緒に旅しない?」
「え」
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