そのいち

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「凄い……!」 「いや、だってねこ耳」 「それです…"くるーえる=でぃれいんじ"はねこ耳が身体から離れると戦闘不能に陥るんです」 「うっそぉぉ!?」 「それを一瞬で見抜くなんて……御主人様は強いんですね…!尊敬します!わたし達の一族より強いのでは!?」 「無い無い無いナイ無い」 だってあのねこ耳が見るに堪えなかっただけだもん。 妙な誤解を生んでしまった男だった。 「本当に有難う御座しました!わたし、御主人様みたいな人がいたこと、一生忘れません」 少女はおぼつかない足で立ち上がり、にこりと(犬だから表情なんて以下略)笑う。 「さよなら」 「……………、」 男に背を向け、少女は進んでいった。 男は先程の5倍くらい苦い顔をして、 口を開く。 「待った」 「忘れ物ですか?」 「いや違うんだけど。……お前、俺と一緒に旅しない?」 「え」
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