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「盛雄ちゃん!久しぶりね、元気だったかい?
お腹は空いてないかい?とうきびでも食べるかい?あっ、トウモロコシのことね」
玄関では、怒濤のように喋るおばさんが迎えてくれた。
「お母さん、そんなにたくさん言ったら、盛雄くん困っちゃうでしょ」
おばさんの娘の萌菜ちゃんだ。
最後に会ったときは、萌菜ちゃんもまだ中学生でそれでもだいぶお姉さんに見えたけど、
今は酪農関係の大学に通っている女子大生になっていた。
中学生の僕からしたらもう大人の存在に見える。
萌菜ちゃんの胸のふくらみに目線がいかないように気をつけながら二人に挨拶をした。
「萌菜も盛雄ちゃんみたいな、しっかりしたかっこいい彼氏でも連れてきたらうちも安泰なんだろうけどね」
「やめてよ母さん、盛雄くんの前で、彼氏なんてつくってるヒマないんだから」
僕は萌菜ちゃんに彼氏がいないことを聞いてなぜかほっとしていた。
おばさんの腕には、おじさんと同じ黒い斑点がついていた。
そして、おばさんが後ろを振り向いたとき、お尻のあたりがモゾモゾしていたのが気になった。
まるでしっぽでもあるかのように何かが動いていた。
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