私の名はミーマーク

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私の名はミーマーク

私の名はミーマーク、両親は出生直後から行方不明。身寄りのないもの。ただし化学研究にかけての熱意は誰よりも尊いと自負して いる。 化学の師に教えこうむった電子の話。そこから疑問に思ったこと、探求心をそそられたそのものを己にて確かめるべく。私は大学卒業後も院~教授とそのまま大学 に残り研究を続け、10年が過ぎた。  私の研究とは、人の何たるかを知りたいと言う気持ちから成り立っている。人はこの世に生を受け、様々な生き様をこの世に残す。 その生物の根源とは、宇宙とは。 それを紐解くためには、出来るだけ微細なものまで奥深く見据えることのできる顕微鏡が必要だった。ミクロのミクロずっと遠いそして近い世界をみることができれば、万物の組成が明らかになる。 もう数十年前に既にとても崇高でかなり小さなものをも見出せる電子顕微鏡が作られている。そして、人はみな、この顕微鏡に映し出される物質に興味を持ち、 研究していく中で、電子・分子・核の存在を知り、より最小の単位とされる物質にたどり 着くことが出来た。しかしながら、『今発見されている最小単位以上に小さな世界』に関しては現在に至 っては明確ではない。みな心のどこかでは更に小さな世界を予測しながらも半信半疑なのだ。もちろん、こ の私自身も。 電子顕微鏡が発明される前は、当たり前のようだが、電子顕微鏡で現在確認できる様々 なものの存在を人は皆知らずにいた。そう、 『百聞は一見にしかず。』とはよく言ったものだ。誰も確認出来ていないものを信じろというのは無理な話だ。 想像されながらも未だに証明出来ないが為に不確実な推論となっていること。そういったことを即座に自ら確かめようと思う。それが私の方針だ。
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