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講義にて
彼は
『そんなに面白い講義 でもあるまい、きっと私を学校に来させるた めの手段なのだ。』
そう冷めた思いで教室の 扉を開けた。 教室の正面中央に置かれた大きな黒板。そ こにはたくさんの絵が描かれている。絵画の授業か?と思うほどだ。 教師は彼と目があうと、
「おぅ、来たか、よし!じゃあ、はじめると するか。」
と 大きな声で彼に向かって言った。他の生徒は居ない。
『何故、自分だけが?』
そう思いつつも彼は教師の話にのめりこんでいった。
「この宇宙を創っているものはなんだと思 う?そしてこれから未来はどうなっていくと 思う?私にはわからない。だが、君はきっと その未来に何かをもたらす力を持っていると 私は確信している。君は必ず優秀な心のある 学者となる。」
教師は最後にそう付け加えて1対1の授業を終えた。それからというものの、彼はもう 二度と授業をサボることも、勉学を怠ること もなくなった。 この日の化学の講義が彼の運命をここまで変えることになろうとは、ミーマーク自 身この時には想像もしていなかった。
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