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睨み合う二人を少し離れた小高い丘から見下ろす影があった
その雄は犬の顔をした魔族
スーツをビシッと着込み右手にはアタッシュケースを握り荊とハザードに睨み合いを静かに見下ろしていた
「睨み合ってすでに3日…
弱い魔族どもは二人の殺気だけで消滅したか…」
男の名はアルベール
魔族を相手に商いをする営業マンである
アルベールの商いには方々から人、魔族問わずに注文が殺到するほどである
「天候をも異変させてしまう魔力の渦…
あまりに強大だな」
アルベールは空を見上げながらつぶやく
「本当~迷惑な話だよね~」
アルベールの見上げた空が歪む
時空が歪み、一人の男が姿を現した
丹精な顔立ちをした青年である
ローブのような黒い衣服を纏った魔法使いのような姿をした青年である
「…魔王朔埜…か」
「魔王?あはははは~最近はそう呼ばれることが増えたね~
性格には魔術…なんだけどね~」
朔埜と呼ばれた青年は宙に浮いたまま笑う
この朔埜もまた天変地異の一人に数えられる魔族である
強大な魔力を有する元人間
禁術により魔族への転生を遂げた魔族である
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