第1章

2/7
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
 この世界には、科学では説明のできないことが多々ある。  その一つが魔法だ。  何の前触れもなく手から火を出したり、あるいはそれが水だったり、またはそれに類する何かだったり、はたまたそれ以外の全てだったり。  内にある特別な力──通称"魔力"を使って発動するもの、それが魔法である。  その世界に生まれた者は人であれ人外であれ、全てのものが魔力を持つけれど、しかし、魔法を極めた者は、長い歴史の中でも三人しか存在しなかった。  その一歩手前まで行った者は両手で数える程にはいる。  だが、やはりそこまで至ることができなかった。  足りないのである。  魔法を極めるには、時間が足りない。  そして、そんな世界の東の果て。  そこに、あと一歩で魔法を極める者がいた。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!