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この世界には、科学では説明のできないことが多々ある。
その一つが魔法だ。
何の前触れもなく手から火を出したり、あるいはそれが水だったり、またはそれに類する何かだったり、はたまたそれ以外の全てだったり。
内にある特別な力──通称"魔力"を使って発動するもの、それが魔法である。
その世界に生まれた者は人であれ人外であれ、全てのものが魔力を持つけれど、しかし、魔法を極めた者は、長い歴史の中でも三人しか存在しなかった。
その一歩手前まで行った者は両手で数える程にはいる。
だが、やはりそこまで至ることができなかった。
足りないのである。
魔法を極めるには、時間が足りない。
そして、そんな世界の東の果て。
そこに、あと一歩で魔法を極める者がいた。
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