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「西 丈一郎
中2…
転落死…」
西…
コイツはハッキリ言って危険だ……
俺は戦いの中で、生き残る為には何が必要なのかを知った
西は、自分さえ良ければ他人などどうでもいいという考えを持っている
そういった奴が一番危険なのだ
この戦いで一番重要な事は協調性だ……
協調性の無い奴は自らだけでなく仲間をも死に追いやる
今まで幾度もそういった場面を見てきた
だから俺は全てを助けよう、などとは思わない……
全てを助ける事など出来ないという事は
それこそ嫌というほど経験してきたから……
「なっ、なんだこれっ!?」
加藤が声を張り上げ、玄野は再び思考の中へと移していた意識を現実へと戻し
目の前に出現したモノを凝視する。
岸本 恵……
腕の中で徐々に構成されていくその姿を見ながら
頭の中で彼女の名を呟く。
「大丈夫か?」
「……?
ここは……?」
そして構成が終わるのを見計らって声をかけた。
その優しくも力強い声音を耳にした岸本はゆっくり顔を上げると
玄野の顔を凝視しながらそう口にする。
「とりあえず、その格好じゃ風邪をひくから…」
それからの玄野の行動は早かった。
優しく包み込むようにして彼女に回していた手を緩め
素早く制服の上着を脱ぐと羽織らせる。
ついでに目をギラつかせながら近寄ってきたヤクザには最上級の睨みを効かせて追い払ってやった。
「なっ、なんか計ちゃんスゲーというか…
手慣れてるっていうか…
落ち着いてるな?」
「?
そうか?」
まだ意識が覚醒しきっていない彼女を腕に抱きながら
玄野は加藤の言葉に平然とそう返す。
「なんつーか、その…
普通は裸の女の子が現れたら…
動揺とかするんじゃねーか…?」
まぁ、決戦の時にはガンツメンバー以外の人間は裸だったからなぁ…
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