第1章

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「あっ…」 玄野が着替え終え、部屋へと戻ってくると 岸本が歩み寄ってきた。 「えっと…… 色々と気を使って下さってありがとうございます それと…あの…これ…… もう少しお借りしていてもいいですか……?」 そう言って学生服の上着に手を添える。 「あぁ、いいよ? 俺も着てみて思ったけど このスーツ、すげーボディーラインが浮き出ちまうんだな… これは女の子には恥ずかしいと思うからさ…」 「ありがとう…ございます……」 苦笑いを交えて話す玄野の言葉に、彼女は顔を赤らめながら嬉しそうに学生服の襟に顔を埋める。 ……あれ? 前の記憶にこんな表情を向けられた事ってあったか…? てか、岸本って確か加藤に惚れてたんだよな…? 「いやぁ… なんつーか、すっげー恥ずいなこれ……」 「あぁ、加藤 戻ってきたか」 「てか、これやけにサイズがピッたしだよな…オーダーメイドか? いつの間に寸法 測ったんだ?」 加藤は腕を伸ばしたり身体を捻ったりしながらスーツの感触を確める。 「……」 そんな三人の様子を 西 は観察するような目付きで見据えていたのだった。
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