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「あっ…」
玄野が着替え終え、部屋へと戻ってくると
岸本が歩み寄ってきた。
「えっと……
色々と気を使って下さってありがとうございます
それと…あの…これ……
もう少しお借りしていてもいいですか……?」
そう言って学生服の上着に手を添える。
「あぁ、いいよ?
俺も着てみて思ったけど
このスーツ、すげーボディーラインが浮き出ちまうんだな…
これは女の子には恥ずかしいと思うからさ…」
「ありがとう…ございます……」
苦笑いを交えて話す玄野の言葉に、彼女は顔を赤らめながら嬉しそうに学生服の襟に顔を埋める。
……あれ?
前の記憶にこんな表情を向けられた事ってあったか…?
てか、岸本って確か加藤に惚れてたんだよな…?
「いやぁ…
なんつーか、すっげー恥ずいなこれ……」
「あぁ、加藤
戻ってきたか」
「てか、これやけにサイズがピッたしだよな…オーダーメイドか?
いつの間に寸法 測ったんだ?」
加藤は腕を伸ばしたり身体を捻ったりしながらスーツの感触を確める。
「……」
そんな三人の様子を 西 は観察するような目付きで見据えていたのだった。
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