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「一千万!?」
あの後、住宅街へと転送された玄野と加藤と岸本は
その言葉と共に駆け出していった者達の後ろ姿を目で追っていた。
「あの…
これからどうするんですか?」
そして彼らの姿が見えなくなると、岸本はそう言いながら不安気な視線を玄野へと向けてくる。
「そうだな……
加藤はどうしようと思う?」
「俺か?
う~ん……
胡散臭ぇ話だけど…
一千万手に入んなら参加してーんだが…」
「あの 西 とかって奴が言ってた…催眠術か?
どうも納得いかねーよな…
でもまぁ、駆け出してった奴らも参加するみたいだし
加藤がそう言うなら参加してみたらどうだ?」
もちろん本当は催眠術などでは無い事は知っている。
だが、これから先の未来に襲ってくる
吸血鬼の奴らや、あの決戦時の巨人達に逆行者だという事実を知られるのは不味い。
仲間内だろうと、どういう経路で情報が漏れるかわからない。
知られたら、奴らがどんな手段を取ってくるのか全く予想が出来ないからだ。
最悪、自分だけでなく仲間にまで被害が及ぶ事も考えられる。
「玄野クンはどうするの?」
取り敢えず今は事実を隠し、今回のミッションで多数の被害を出した
あの大人のネギ星人を皆より先に見つけ出し倒す事を重点に考えた方がいいだろう…
「俺はこのまま帰ろうかな…」
その為には一人で行動した方が動きやすい。
岸本は加藤に気があるはずだから
きっとアイツに着いて……
「じゃぁ、あたしも帰る」
いくだろ……う… ハァ!?
「えっ…?」
「玄野クン帰るんでしょ…?
迷惑じゃなければ送って行ってほしいな~なんて……」
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