第1章

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 F・Sプロジェクト シナリオ 登場人物  佐神颯  御堂結弦  北上岳……補助役パイロット。  磯原力也……本部指令。  ○高校。(夕方)  下校のチャイムの鳴る廊下。生徒たちの嬌声。  教室から出る佐神颯。目元より下のみが映る。颯、ポケットから携帯電話を取り出し、耳にあてる。  磯原「颯君、今、時間大丈夫かな」  颯「ええ、まあ。で、なんですか? 今日は非番だったはずですけれど」  椅子に座る磯原の背中。  磯原「いや、それがね? 急きょ君の相棒が決まってさ」  颯「相棒? 操縦者ですか?」  磯原「そうそう」 ○本部、磯原の後ろに立つ結弦。  磯原「できれば早めに顔合わせを済ませたいんだけど、どうかな」 ○高校。  落ちかけた日の光に浮かぶ颯の横顔。  颯「別に良いですよ。今からそちらに行けばいいんですか」  磯原「助かるよ。それじゃあ、『本部』で待ってるからねー」  颯、電話を切る。  窓の外の、空を見上げる。  空を駆る戦闘機団。  颯(空を見ると、俺たちはいつも思い出す)  顔をあげる颯。ここで初めて顔が映る。  颯(この空から降ってきた、絶望を)    暗転。  F・Sプロジェクトのタイトルを出す。  四ケタの数字(0721)をノイズ交じりに表示。(まだ分からないように)   ○都会、ビル群。(昼)  人々の往来。クラクションの音。  颯(語り):その日は、何かの記念日だとか、有名人の誕生日だとか、そんな特別な緋ではなかった。何の変哲もない、穏やかな一日。奴らは、いとも簡単にその平穏を壊した。  突如、上空から降りて来くる機巧。茫然とする人々。機巧の咆哮が響く。  逃げ惑う人々。  機巧の構造をX線状に表した映像。各部の数値データ。  颯(語り):機巧。奴らはそう呼ばれた。従来の技術では傷をもつけられない装甲。圧倒的な破壊力。そして機動性、持続性。機巧に対する抵抗手段を持たない人類は、瞬く間に蹂躙を受ける事となった。では、人類はどのようにして連中に抗ったか。  街を闊歩する敵機巧。それに対峙する人間側の機巧。  颯(語り):(毒を持って毒を制す。それが人間の出した結論だった)  機巧同士の戦闘シーン。
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