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颯(語り):(人類は機巧のシステムを解析し、それとほぼ同じ性能を持つ機体の開発に成功した。人類が新たに生み出した兵器により、形勢はある程度回復し、こうして日常生活を送れるまでになった)
倒される敵機巧。吠える人間側の機巧。
颯、『東京機巧研本部』の前に立つ。
颯(語り):(そして人類存続の要こそ、この『東京機巧研本部』だ)
厳重な警備。守衛にカードを見せ、中へ。
颯(語り):(現在使用可能な機巧は四機。うち実働可能なのは三機。そしてこの『東京機巧研本部』は、その一つを所有している)
機巧の操縦席の映像。
颯(語り):(機巧の操縦は二人で行う。一人は機巧の主操縦を行うパイロット。そして、それをサポートする補助役。俺はその補佐を担当している。そして、今日紹介される俺の相棒というのが、機巧の操縦者になるわけだ)
颯「面倒くさいな……」
○本部内、磯原の部屋の前。
颯、ノックをする。中から磯原の返事が返ってくる。
颯「失礼します」
○磯原の部屋
高級そうなデスクに座る磯原、その後ろに立つ、仏頂面の結弦。
颯、一礼する。
磯原「よく来てくれたね、佐神君。学校帰りに申し訳ない」
颯「いえ、別に」
磯原「早速だが、紹介しよう。これから君が補佐を務めることになるパイロット、御堂結弦君だ」
颯、目の前の結弦を見て眉をしかめる。
機嫌が悪そうに見える結弦。
颯「どうも」
結弦、颯の言葉に、少し目を動かすだけで反応を示さない。
沈黙の降りる部屋。磯原が席を立つ。
磯原「じゃ、じゃあ、後は若い者どうしで」
颯「お見合いじゃないんですから」
磯原、部屋を出る。残された颯は、なんとか交流を図ろうとする。
颯「あ、あのさ……」
結弦「何?」
剣のある声。颯、口をつぐむ。
ため息をつく結弦。
結弦「用が無いんなら帰っていい?」
颯「おい、ちょっと待てよ」
颯が掴みかけた腕を、結弦は振り払う。睨みつける結弦。
結弦「先に言っておくけど、私はあなたの手なんか借りるつもりはないから」
颯「なんだと? 機巧は二人そろって初めて力を発揮するものだろ?」
結弦「私は特別なの。あなたとは違う」
互いににらみ合う颯と結弦。
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