今を変えたい

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「雄太…!   急ぎなさい、あと30分じゃない」 僕を見るなりお母さんが眉をひそめる だけど僕はその目を強く見返しながら 息を切らして尋ねた。 「――――お父さんは?」 「…え?」 「お父さんは?  まだ会社行っていない? どこ?」 「…雄、太?」 それはいつからか 口にすらしていなかった名前 だんだんとお母さんの表情が変わっていく 驚きや戸惑い、そして ほんの僅かな涙が僕の瞳に映りこんだ時、 「…雄太?  ……おはよう、  今日から自然学校だったな」 (――――――――――) 奥の襖が開いたと同時に 僕は思い切り後ろを振り返った。 ―――お父さん 僕を見て柔らかく微笑むその姿に 胸が痛いほど熱くなる と同時に 今の僕の中に根付いている感情が邪魔をして 『早く言わなきゃ』 と思うのに それ以上の言葉が続かない
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