第1章

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東京へは修学旅行と 好きなバンドの解散コンサートと 友人の結婚式ぐらいしか来た記憶がなく 全く土地勘がなかったけれども 住むなら渋谷か新宿あたりかな? なんて田舎者らしい思考で なんとなく考えていた。 部屋が決まるまで2週間ほど 単身赴任で旦那さんが留守中だという 高校時代からの友人である 彩花のマンションへ 居候させて貰っていた。 彩花は20代で結婚し 1男1女の母親でもあり 旦那さんが単身赴任ではあるが 私にとって文句なしの理想の家庭を 築いている。 そんな幸せな家庭を持つことが出来ず アラフォー女性の負け犬代表みたいな 私ではあるけれど 仕事だけは真面目にしてきた甲斐あって これまでの貯蓄と退職金を合わせれば この先1人で東京で暮らしていく上での 当面の生活費などに関しては 全く不自由や不安は感じていなかった。 そんなこともあり 仕事は住む所が決まってから 探せばいいか。 なんて私はかなり呑気に構えていた。
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