第1章

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***** 「・・・はぁ・・・はぁ・・・早くしないと予鈴が鳴っちゃうー・・・」 私は置き忘れた携帯を取りに、体育館に向かって猛ダッシュしていた。 体育の最中、先生に携帯を持って来ている事がバレないよう、用具室の隅っこにあるBOXの中に隠しておいたのだ。 だって、うっかり携帯を落っことしちゃった日には、即職員室行きだもの。 まったく・・・今時、「学校に携帯を持って来たら没収!」なんて・・・きっと、ウチの高校だけだ。 校則はけっこう緩い方なのに、携帯に関してだけ異常に厳しいのは、いったいどういうわけなんだろう? クラスのみんなも、口々にそう言っている。 って、こんな事考えてる場合じゃない!あと少しで、昼休みが終わってしまうんだから・・・ 私は、ショートカットして体育館へ向かうべく中庭に続く扉を勢いよく開けると、そのまま全力で突っ切ろうと足を踏み出した。 と、その時・・・ 中庭の片隅で、一組の男女が向かい合っている事に気付いたのだった・・・
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