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周りの人たちが、次々に笑顔で立ち去っていく中、もう一度時計を見上げる。
遅刻するのはいつものことだけど、今日はちょっと遅すぎる。
かといって、連絡入れても、電車の中とかだと迷惑になるかな。
せめて、メールくらいならいいか。
そう思って、かばんからごそごそとスマホを取り出した時。
「ごめん、遅くなった!」
そう言って、恭平が姿を見せた。
「大丈夫だよ」
私は笑顔を返す。
本当なら文句のひとつでも言いたいところだけど。
忙しい恭平が、私のために時間を作って、こうやって会ってくれるだけで、幸せなの。
「今日はどこに行こうか」
わざと明るく声を出して、恭平を見る。
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