1. 最悪の一日

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周りの人たちが、次々に笑顔で立ち去っていく中、もう一度時計を見上げる。 遅刻するのはいつものことだけど、今日はちょっと遅すぎる。 かといって、連絡入れても、電車の中とかだと迷惑になるかな。 せめて、メールくらいならいいか。 そう思って、かばんからごそごそとスマホを取り出した時。 「ごめん、遅くなった!」 そう言って、恭平が姿を見せた。 「大丈夫だよ」 私は笑顔を返す。 本当なら文句のひとつでも言いたいところだけど。 忙しい恭平が、私のために時間を作って、こうやって会ってくれるだけで、幸せなの。 「今日はどこに行こうか」 わざと明るく声を出して、恭平を見る。
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