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個室に案内されて、店員がいなくなると、恭平は目深にかぶっていた帽子を外して、乱れた髪を直す。
なんだかがっかりした私は、画面を流れるPVを黙って眺めていた。
「それで、だ」
ようやく本題。
私は、恭平に視線を戻す。
が、次に彼の口から出てきた言葉は、あまりにも理解できないものだった。
「俺、お前と別れたいんだ」
今、何ていったの?
「まぁ、ほかにもいいやつがいると思うから」
「それにお前は、俺なんかにはもったいないから」
何言ってるかわからない。
別れるって、別れるってこと?
何、私もしかして、今振られてるの?
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