1. 最悪の一日

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泣く、もんか。 泣いた顔なんて、見せるもんか。 泣いたら、認めることになる。 そんなの、嫌だ。 ぐいっと服の袖で涙を隠す。 「そんな理由じゃ納得できないから。今日はとりあえず帰る」 くるりと背を向け、恭平を部屋に残したまま、店から飛び出した。 追いかけてきて欲しい。 心の片隅でそう願いながら。 きっと彼が来ないことを悟っていた。 何、やってんだろ。 足を止めて、休んでいた公園のベンチ。 数時間前の自分とは大違いの惨めさに、うちひしがれる。
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