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ときどき声をかけてくるナンパ男にも嫌気が差す。
見上げた空は、どこまでも青く澄んでいて。
世界に一人取り残されたような、そんな絶望感。
それでも少しずつ気持ちが落ち着いて、冷静さが戻ってくる。
そして、どこかよそよそしかった、最近の恭平の態度。
予感は、あった。
認めたくなかっただけ。
だけど。
何で今日なのよ。
せっかくの一大決心も台無しじゃない。
「・・・帰ろ」
こんなとこで落ち込んでたって、恭平はこない。
重たい体を持ち上げて、のろのろと歩き始めた。
晴れ渡っていた空に、いつの間にか黒い雲が忍び寄る。
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