1ー1 少年は失う
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雪が降っていた。 普段は乾いた大地に覆われたこの国では珍しい。 2年に一度、いや5年に一度の出来事だろうか…。 そんな滅多に起きない現象に国民達は喜びではなく心に影がさす。 永遠に続くかと思うほどの長い夜は終わり、ようやく陽光が差しつつあるが、分厚い雪が窓からの光の半分以上を遮り、部屋の中なのに吐く息は白かった。
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