出会い

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あっという間だった。 襲いかかってきた男二人を一発で地に伏せて。 汐見を掴んでいた男も難なく引き剥がし。 それでも向かってくる男の顔面をがしり、と掴むとそのまま男の体を浮かしてしまった。 「あ、あがっ……」 「他の2人みたいに倒れてりゃいいのに。向かってきたっつーことはやられたいんだろ?」 みしみしと男の骨が軋む。 「おい、航矢!」 名を呼ぶも、耳には入っていないようだ。 汐見はこのままではいけない、と思い、航矢の腕に触れた。 「と、とがさん! もう止めてください!」 「お前、コイツにヤられそうになってたんだぞ。しかも殴られてる。コイツを庇う理由なんてねーだろ」 「私ならもう大丈夫ですからっ! まだ、やるというなら、あの、その、」 「ん?」 「わ、私に! 痛いことしてください! イイコトしてください!」 ぴしり。 航矢は硬直する。それは離れた場所から見ていた友人、千冬も同様だった。 ぼとり、と男が地に落ちる。 「……何て?」 「私にイイコトしてください!」 聞き間違いじゃなかった。
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