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「………………」
思いっきりバカにされた感じがする!
(クッソォー!自分が先に言ったんじゃん!裸族でもいいって……なんか、ムカつく……!)
私の心の声が漏れているわけないのに、夏兄は私を見てクスリと笑うと、
「菜乃は本当に素直で可愛いな」
そう言って頭を撫で撫でした
(クッソォー!今度は子供扱いだよ!
なんか逆襲できないかな……?って、私、レベル低いな~だから、バカにされて遊ばれちゃうんだよ!)
ハァ……自己嫌悪に陥っていると、
「そんな素直で可愛い菜乃も大好きだよ」そう言ってチュッと頬にキスをした
それから二人シャワーを浴びて、さっき夏兄が言ってた「そうと決まったら」の正体をテーブルの上に出して眺めた
「これ……」
初めて見るその薄い紙切れに目が釘付けになる
「うん、婚姻届……今から書いて役所に出しに行こう」
「今から?」
「そう、今から……嫌か……?」
さっきまでの明るい表情が、たちまち不安に満ちた表情になる
「そんな顔しないで……ちょっと急展開に驚いてるだけだから……
心配ないよ、私には夏兄しかいないもの
夏兄のお嫁さんに本当になれるなんて、信じられないのは私の方だよ」
そう言ってニコって笑うと、夏兄が私の肩をそっと抱き寄せた
「菜乃、愛してる……
二人でたくさん幸せになろうな」
「うん、たくさんたくさん幸せになろうね……夏兄、愛してる……」
私達は婚姻届の前で二人だけの誓いのキスを交わし、それぞれサインし、その日のうちに役所に提出した
これで晴れて夫婦だ……
今から私は日向菜乃花になった
「フフフッ」
幸せ過ぎて思わず声に出た笑い声に、夏兄が振り返り優しい視線を私に向ける
「夏兄……幸せだね」
私の言ったその言葉に夏兄がニッコリ笑って頷き、繋いだ手をギュッと握り返した
「さぁ、今日は入籍記念日だから、夜は目一杯奥さんを可愛がってあげるよ、だからその前に旨いもん食いに行って体力つけような」
『絶倫……』そうだった……忘れてたよ
私、大丈夫かな……身体、もつのかな?
「さぁ、帰るぞ」
これからどんな毎日が訪れるのか、楽しみで仕方ない
夏兄に出会えて良かった
夏兄を好きになって良かった
「夏兄……大好き!」
~~終わり~~
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