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その日は朝から気温は氷点下、昨夜降った雪のせいか実際の気温よりも更に寒く感じる
「菜乃そろそろ行くぞ、準備出来てるか?」
いつもの時間、いつもの場所、いつもの声で私を呼ぶのは、愛しい旦那様……
「はーい、もう出れますよ」
私は部屋をざっと見回し確認
「よしオッケー!夏兄、お待たせ」
玄関で靴を履いて待ってる夏兄のもとへ駆け寄ると、当たり前のようにそのままフワリと抱きしめられ、唇にキスが降ってくる……
「痛っ……!」
唇が離れた瞬間、おでこにパチンっと衝撃が走る
「いつになったら俺は菜乃の兄ちゃんから旦那さんに昇格できるのかな?
それともおれの名前、知らないとか……?」
意地悪そうな顔して私にデコピンをする夏兄……いや、夏樹さんをおでこを擦りながら恨めしそうに見上げる
「だって……つい癖で……
いままでずっと夏兄だったのに、それを夏樹さん……だなんて……なかなか呼べないよ……」
「でも俺は夏兄じゃなく名前で呼んで欲しいよ
なぁ、菜乃の可愛い声で名前呼んでよ……ダメ?」
うぅっ……輝いてる
キラキラと朝からフェロモンを振り撒くこの人がわたしの夫……
(うわぁ……やっぱりカッコイイな……)
毎日一緒にいるのに、いまだにまだ結婚したこと、たまに夢を見てるんじゃないか?って思う時がある
だってこんな素敵な人が私の夫だなんて……
そう思って見惚れていたら顔がポッと赤くなってきた
いけないいけない……朝からこんなボーッとしてたらまた夏兄にからかわるれるよ
慌てて緩んだ頬をシャキッと引き締めてみたが、そんな私を夏兄がじーっと見ていたみたいだ
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