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「菜乃、今日仕事休むか?」
「えっ?何で?」
「いや、菜乃のそんな可愛い顔見てたら、なんかムラムラしてきた……」
「えぇー!ダ、ダメだよ!仕事行かなきゃ!!さ、ほら早く行こ!」
慌てて靴を履き夏兄……じゃなくて夏樹さんを追い越し先に玄関の外に出た
「チッ、仕方ねぇな……じゃあこの分は夜まで貸しだからな」
そう言うとちょっとつまらなそうな顔をして歩きだした
でも私の手はしっかりと握ったまま……
でも夜まで貸しって何だろう……?
私、何か夏兄に借りを作ったのだろうか……?
「菜乃、今日は無駄な体力使うなよ」
エレベーターを待つ間、夏兄はニヤリと笑って私を見て言った
「…………あっ」
夏兄の言った「貸し」の意味がわかり、益々赤くなる私……
でもちょっと待って!私の何が夏兄に借りを作ったというのだ?
伺うようにチラリと見ると
「ん?やっぱり休むか?」
「休みません!!もう、いつもそんな事ばっかり言って……
ちゃんと仕事とプライベートはキッチリ分けてください!」
プリプリしてちょうど来たエレベーターに先に乗り込むと、後ろからクスクス笑い声が聞こえてきた
振り返りキッと睨むと
「はいはい、仕事とプライベートはキッチリ分けないとね
仕事の後のプライベート、楽しみだな~
明日は休みだから、いっぱい楽しめそうだな」
私の反応をからかうように言う夏兄が憎たらしい……
でもそんな夏兄も大好きだから、もうどうしようもないや……
あーあ、朝からこんなんじゃ、夜はどんな目に遇うのだろうか?
とりあえず、今日はあまり無駄な体力使うのはやめておこう
一応ね、念のため……
深い意味なんてないし、何も期待なんてしてないんだならね……
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