**番外編②  いつもの朝**

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「菜乃、今日仕事休むか?」 「えっ?何で?」 「いや、菜乃のそんな可愛い顔見てたら、なんかムラムラしてきた……」 「えぇー!ダ、ダメだよ!仕事行かなきゃ!!さ、ほら早く行こ!」 慌てて靴を履き夏兄……じゃなくて夏樹さんを追い越し先に玄関の外に出た 「チッ、仕方ねぇな……じゃあこの分は夜まで貸しだからな」 そう言うとちょっとつまらなそうな顔をして歩きだした でも私の手はしっかりと握ったまま…… でも夜まで貸しって何だろう……? 私、何か夏兄に借りを作ったのだろうか……? 「菜乃、今日は無駄な体力使うなよ」 エレベーターを待つ間、夏兄はニヤリと笑って私を見て言った 「…………あっ」 夏兄の言った「貸し」の意味がわかり、益々赤くなる私…… でもちょっと待って!私の何が夏兄に借りを作ったというのだ? 伺うようにチラリと見ると 「ん?やっぱり休むか?」 「休みません!!もう、いつもそんな事ばっかり言って…… ちゃんと仕事とプライベートはキッチリ分けてください!」 プリプリしてちょうど来たエレベーターに先に乗り込むと、後ろからクスクス笑い声が聞こえてきた 振り返りキッと睨むと 「はいはい、仕事とプライベートはキッチリ分けないとね 仕事の後のプライベート、楽しみだな~ 明日は休みだから、いっぱい楽しめそうだな」 私の反応をからかうように言う夏兄が憎たらしい…… でもそんな夏兄も大好きだから、もうどうしようもないや…… あーあ、朝からこんなんじゃ、夜はどんな目に遇うのだろうか? とりあえず、今日はあまり無駄な体力使うのはやめておこう 一応ね、念のため…… 深い意味なんてないし、何も期待なんてしてないんだならね……
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