**番外編③  ライバル?**

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そんな、私を心配そうに見つめると 「あ!誰かにいじめられたの?一体誰が……あ、永井先生でしょ?神崎先生が可愛いからって妬んだりしたらダメだよ! 仕方の無いことなんだから……神様は不公平なんだよ、そんなの大人なんだからちゃんと受け止めなきゃ……永井先生には永井先生のいいとこが、探せばきっとどこかにあるよ……僕にはわからないけどね」 「いやいや、校長……それ、ちょっと酷くないですか?パワハラですよ! 私だって一応は性別女なんですから、もうちょっとソフトに扱って下さいよ これじゃまるで珍獣みたいじゃないですか……」 「珍獣……うん、珍獣……いいね、永井先生にピッタリだよ 珍獣かぁ~、ふ~ん、珍獣ねぇ~ 珍獣~珍獣~」 校長先生は、よっぽど珍獣が気に入ったのか、私の事なんてすっかり、忘れて嬉しそうに部屋へ戻って行った シーンと静まり返る職員室…… 我慢しきれないといったように山科先生が笑い出すと、それにつられて他の先生達も笑い出す…… 永井先生まで一緒になって笑ってる それを見てたらなんだか私も可笑しくなってきた きっと、店の下見は急遽決まったのだろう 前もってわかっていれば教えてくれただろうしきっと後でメールくれるよね? なら、私は少し残業してきりのいいとこまでやって帰ろう (よし、そうと決まれば一息入れよう) そう思い、コーヒーでも入れようと席を立った 給湯室でお湯が沸くまでの時間、スマホを確認してみると 「あ、夏兄からメール来てたんだ……」 メールの受信時刻は今から一時間前…… 慌てて内容を確認すると 『急遽、忘年会の店の下見に行くことになった 候補の三件回って条件合うとこに決めてくるだけだから、そんなに遅くならない メシは家で食べたい 菜乃の作ったのがいい 帰るとき連絡するな、急にごめんな 今日は一緒に帰れないから、あまり遅くならないうちに学校出る事』 メールで知らせてくれてたのは嬉しいけど…………でもこのメール肝心な事が書いてない 井川先生と二人きりって事…… それって、ただの書き忘れ?それとも、わざと書かなかった? なんとなく私には言いにくかった?
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