3559人が本棚に入れています
本棚に追加
はぁ……なんか私醜いな……
夏兄を疑ってるの?信じてないの?
愛されてるっていつも思う、思うけど……でもね、やっぱり自信はないの……
どうしても、こういう時弱い自分が顔を出してしまう
「はぁ……強くなりたい」
ポツリと呟いた言葉に、いつの間にか私の後ろに立っていた人が私の頭を優しく撫でてくれた
ビックリして振り返るとそこにはカップを持った牧野先生が立っていた
私の視線をサッと交わし、頭を撫でた手をすぐに離し
「あ、いや……ごめん……なんか、つい……」
よく見ると心なしか頬が赤い……
(え……牧野先生、もしかして照れてるの……?なんか、可愛い……)
つい珍しくてジロジロ見てしまった私に
「あんまり見ないで……」と、小さい声で呟いた
「あ、ご、ごめんなさい!もう見ません!」
そう言うとまたプッと笑いだし
「いや、たまには俺も見てほしいな……
毎日日向ばかりじゃ飽きるでしょ?」
………ほら、やっぱり牧野先生の発言はよくわからない
さっきまで恥ずかしそうにしていたかと思ったらいきなり強引だし……
もしや、二重人格???
「アハハ……神崎先生ってマジ面白い
見てて飽きない……日向がのめり込む気持ちわかるわ~
あーなんかこういう子、いいな
癒されるって言うの?
あ~あ、何で日向と結婚しちゃったかな~?」
そう言いながら私の頭を髪がグチャグチャになるくらい撫で回し、ポンっと私の肩を叩いて給湯室を出ていった
「な、な、何なの……?今の、何だったの……?」
メドゥーサみたいに髪をグチャグチャにしたまま、暫く放心状態で突っ立っていた
シューシューとヤカンから蒸気が出てお湯が沸いたことを知らせてくれる
ハッと我に返りガスを止める
「今日はもう帰ろう……」
夏兄も夕飯家で食べるって言うし、サッサと帰って夕飯作ろう
私は慌てて帰り支度を済ませると、脇目も振らずに家へと急いだ
最初のコメントを投稿しよう!