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「蓮、今日はおばあちゃん達と仲良く留守番しててね」
「あら、おばあちゃんじゃなくて美菜子さんと柊子さんでしょ!
蓮、今日は美菜子さん達とデートしようね」
「うん!みなこしゃんとしゅうこさんとでいとする!」
「うんうん蓮は本当に可愛くていい子だね」
私はただ今第二子を妊娠中……
今日は六か月目の定期健診
いつも健診には蓮も連れていくんだけど、実は今日は私達の結婚記念日でして……
健診の後に夏樹と待ち合わせしてデートをする約束をしていた
私も夏樹ももちろん蓮も一緒のつもりで考えていたのに、どこから情報が漏れたのか、両家のおばぁちゃん二人が揃って子守りを名乗り出てくれた
しかも、今夜一晩実家でお泊まりをしてくるらしい
たまにはじじ達も孫と遊んで癒されたいという強い要望があったらしく、当の蓮も大喜びでお泊まりをかなり前から楽しみにしていた
思わぬ助っ人の登場で思いがけずに夏樹と二人で過ごせる事になって、嬉しくて昨夜はあまり眠れなかった
「じゃあ、行ってきます」
「ちゃーちゃん、せんせいのいうことちゃんときくんだよ
あと、ももちゃんによろしくね」
ももちゃんとは、蓮が勝手につけたお腹の赤ちゃんの名前だ
「うん、わかったよ
蓮もみんなの言うことちゃんと聞いてね
明日お父さんと向かえにいくからね」
「はーい」
元気よくそう返事をすると、おばあちゃん二人に手を繋がれて楽しそうに歩いて行った
実家に行けば両家合わせて八人の大人達がよってたかって蓮を取り囲み、構って甘やかして、挙げ句の果てには物を買い与える
三歳ながらにそれをわかっているから、実家に行く事に蓮はものすごく積極的だ
やれやれ……先が思いやられるな
でも久しぶりに夏樹と二人きりで過ごせると思うと嬉しくてスキップでもしたくなる
逸る気持ちにセーブをかけて三人を見送った後、私は病院へと向かった
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