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◇◇◇
綺羅とのデートから二週間が経った。
あれから連絡はないし、あたしからもしていない。
あんな気まずい別れ方をしたから、もう連絡はないのかもしれない。
達哉は相変わらず真っ直ぐに想いをぶつけてくる。
何度言われてももう無理だって言っているのに。
「美耶、今日買い物に付き合ってくれない?」
「買い物? 何を買うの?」
「もうすぐ一樹さんの誕生日なんだ。だからプレゼントを買おうと思ってさ」
頬を緩ませながら嬉しそうに話す美波。
なんかこういうのいいな。
あたしは達哉が初彼だったけれど、付き合っていた三ヶ月の間に誕生日はなかった。
ていうか、八月始めから十月末くらいだったから、カップルで過ごすイベントも一つもなかった。
そういえば、綺羅の誕生日はいつなんだろう。
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